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さて、前記のように複数の民族が混在している所謂「多民族社会」では、各々の民族は相互にどのような地位にあるのか。
人口差には優劣も上下もない
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いうまでもなく、お互いの文化に相違はあっても、そこに優劣上下の関係などない。文化にどのような差異はあれ、お互い対等のはずである。
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ちなみに異なる文化の民族同士が、全く同数の人口であることは現実的には無い。
だから必ずどちらかが多数派であり、どちらかが少数派である。
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また民族が多数存在している社会では、全民族が全く均等対等の人口であることは無い。
必ず最多数となる民族がある一方で、その他の民族は比較少数派や最少数派となる。
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だが言い換えれば、民族間の差異はこの人口の大小差だけであり、どの文化であれ相互に対等であって、優劣も上下もないはずである。
現実はどうか
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もちろんこのように述べたのは原則論だ。
つまり「このようにあって然るべし」というという原則を述べたものである。上記で「はずである」という表現を用いたのも、そのためである。
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だが原則論はさておき、現実はどうなのか。以下、実態について述べてみよう。