「ダブルバインド」の登場
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もちろん「ムラ社会」としても、現実遊離の乖離が増大していくのを座視している訳ではない。
特に企業組織の場合は、経済合理性に合致している範囲内でしか存続を許されない。
だから企業組織を「ムラ社会」として維持してしまった場合は、この問題は無視できない。
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ここで登場するのが「ダブルバインド」である。
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これは「ムラ社会」の「掟」は維持したまま、「ムラ社会」の面々各個人に現実適応を命じることである。
(なお「ダブルバインド」とは文字通りに訳せば「二重拘束」であるが、「矛盾命令」としたのはここでの著者の試訳である。この点お断りしておく)
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ここで「ムラ社会」のトップが現実適応の方法と詳細な内容を考え、「ムラ社会」の面々各個人に対して「このとおりにやれ」と具体的に指示するのなら問題は無い。
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上意下達で絶対服従するのが「ムラ社会」なのだから、各個人は忠実に実行する。後で再説するが、この場合トップの下す指示は合理的である。
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従って組織全体としては、結果的に現実適応することになるのだ。
どちらにしても叱られる
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だがこの「ダブルバインド」はどうなのか。
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その問題点は、現実適応の方法と内容は具体的には示さずに、単に課題を命令するだけである点だ。次の四コマのマンガは、そのイメージを描いたものだ。