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さて、これまで述べて来た「物量基準型」人生モデルには次の三つの基準軸があった。即ち、物量値、満足度、時間値である。
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この上記三軸を任意に組み合わせれば、サクセスハウツー本風の即席タイトルになる。例えば、
➢ 「○○歳までに○千万円預金して残りの人生を120%楽しむ方法」
➢ 「僕が二十代で起業して、○○タワーのオフィスで他人の十倍幸福でいられる理由」
➢ 「今から○年以内に年収を5割アップして、同期の二倍の幸せを掴む○個の法則」
などだ。
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してみると、ビジネス本やサクセスハウツー本で展開されているのは、実はこの「物量基準型」人生モデルなのではないかと言えよう。
メリット
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この「物量基準型」人生モデルのメリットは何か。
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それは定量的であるため、分かりやすく明確であることと、他人との比較が容易であることだ。
つまり努力の方向と必要量が容易に把握できるということである。
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また既に書いた通り、このモデルにおける基準軸は「他律基準」であるため、人生目標とは何なのか自分自身では余り考えなくても済む。
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人生の目標とはいったい何なのか。その自問自答に求道者的な煩悶を要する時間。
そんな時間と精力があれば、達成経路を上昇する時間にその分を充当できる。
これはこれで一種合理的で効率的なモデルだと言えなくもない。
デメリット
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だがデメリットもある。その理由も同じく「他律基準」であるためだ。つまり他人次第で基準値が変動してしまう。
自己位置の層別分類も他人次第になる。物量値拡大の要否や現状満足度の適否など、取るべき達成経路も他人に左右される。
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つまり、自分の人生なのに自分で進路を決めていない、若しくは決められないという点が挙げられるだろう。